平成16年3月号



旬鮮刺身の具体的商品化方法


旬鮮刺身五点盛

580円


普通スーパーの魚売場で刺身盛合せと言われているものは、どこでもいつでも手に入る養殖魚や解凍魚を基本素材として使っている。
 このため各社に技術の上手下手の違いはあっても基本的に中身の違いはほとんどなく、同じような商材のために価格競争になりやすいという側面をもっている。
 しかし、この「旬鮮盛り」は今のところこのような商品化の存在に気づいて、これを進んで展開している会社はまだあまり例がなく、その特異性の差別化によってこの商品は「良く売れて儲かる」という嬉しい商品となっている。
 なぜ良く売れるかというと、何といってもその要因の一つは「安い」ということである。
この580円という売価は、普通の刺身盛合せ5点盛りのほぼ「半値」に近い水準だと思ってもらえば間違いない。
 原価の安さを確認するために一品ずつ計算しているが、値入れ率は50%くらい確保できていることは間違いなく、値入れ率も充分であろう。
なぜこんなことが出来るかというと、「その日に仕入れた生魚を使った刺身」であることがこれを可能にしている。
 例えば、以下の写真が上記の旬鮮盛りに使った材料で、左下の写真は売場に並んでいた状態の生魚で、右下はこの日仕入れた裸の丸魚である。




「旬鮮盛り」とは、このような「生魚」を使った刺身ということである。
 基本的に「高値安定」の養殖魚や解凍魚を使わず、新鮮な生魚を使って「刺身盛合せ」にするという「発想」を実行しているスーパーはまだほとんど存在しない。
 この商品は少し大げさに言うと「水産部門の作業体系を変え、利益構造を変える可能性」を秘めた商品ではないかと感じている。
 新鮮な生魚を使った単品の刺身はそれほど珍しくはないが、これらを組み合わせることによって可能となる「組合せの妙」というものを「商品化」に結びつけている例は少ない。
 これらはこれまでの刺身盛合せでの値入れ率の常識を超えることが出来るうえに、お客様には「破格値」と思っていただけるほどの「安さ」をアピールすることが出来る。
 しかも、これがどんどん売れるようになれば、利益率はこれに比例して向上していくことになるだろう。


上記写真の魚を使った別の商品化例


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