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平成23年 2月号 No.86
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次に解体工程写真にはない、仕上げ作業の一つを紹介しよう。
この写真は背の方の皮である。
この皮を商品として活かすためには下のように、「トウトウミ」と呼ばれる粘膜を外す必要がある。
実際は包丁で行うのだが、片手にカメラを持って写真を撮ったのでこうなった。
下の写真の、上の方が「トウトウミ」で、下の方が皮の部分。
そして、次は誰でも(?)出来ればこの作業だけは避けたいと思いたがる、「嫌な仕事」の一つである「皮引き」の作業だ。
何が嫌かって、フグの棘で包丁が直ぐに切れなくなるから。
だから、どちらかと言えば「切れ味は良いけど、古くて少し変形した包丁」を使う。
こんな感じで皮引きを進めていき、皮の表面に棘が残らないようにする。
・・・と、言うのは簡単だが実際はなかなか上手くいかない、てこずる重労働。
左は皮を湯引きした状態で、
それを細く刻んだのがこれ。
ゼラチン質のコラーゲンがタップリで、プリプリベトベトだ。
さて、これからはトラフグの炙りを造る作業だ。
テッサをする時のように「ミカワ」はとらず、そのまま半身を2枚に冊取る。
念のため、ミカワとは「皮の下の皮」のことで、薄皮よりも厚い皮のこと。
氷の上に置いて、バーナーで炙る。
表面がコンガリと色づくまで焼く。
これを薄く切って盛りつけたら、トラフグ炙り造り Ver.2 の出来上がり。
でも下の写真のように、フグにはまだまだ色んな種類があるのだから、
別にトラフグにこだわらなくても、良いのではないだろうか。
トラフグにこだわらなければ「安くなる」のだ。
そして、その味が自分の舌だけで、トラフグなのかカラスなのか、それを区別できる人は、現実としてなかなかいないのではないかと思う。
自分の命を賭してまで食べる価値が「たった2g」の中にあると思うことが出来れば、それは、それで幸せなことなのであろう。
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更新日時 平成23年2月1日 |
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