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平成22年 9月号 No.81
生サンマ薄造り
今年はサンマが高い。
昨年の8月サンマは、北海道の代表的な産地である根室と釧路において、水揚げの状況と産地価格はだいたい以下の図のようだった。
そして、日本の代表的な消費地である東京と大阪でのサンマの状況は、昨年入荷量と価格はこのように推移していた。
このように2009年は、8月の時点からサンマが「豊漁で安値」だったのが理解出来ると思う。
ところが今年の8月はどうなったかというと、
その違いは上の表を比較して見れば明らかだと思う。今年のサンマが高くなる理由が分るような気がするではないか。もちろん、この表を作成するために参考としている数字というのは、必ずしも正確な情報を100%網羅している訳はない。
ちなみに、以下の表がグラフの元になった数字であり、産地の箱物の数量はカウントしていないし、消費地の航空便、陸送便の区別もなく、有名ブランド物とその他の違いも明らかではない。これをある程度参考にするか、馬鹿にするかは読者次第である。
2009年.8月 | 1日 | 3日 | 4日 | 5日 | 6日 | 8日 | 9日 | 10日 | 11日 | 12日 | 13日 | 14日 | 15日 | 16日 | 17日 | 18日 | 19日 | 20日 | 21日 | 22日 | 23日 | 24日 | 25日 | 26日 | 27日 | 31日 | ||
産地 | 根室 | 入荷量d | 180 | 50 | 490 | 25 | 735 | 171 | 477 | 488 | 87 | 385 | 173 | 770 | 1016 | 1536 | 1508 | 1468 | 922 | |||||||||
200g円/kg | 368 | 609 | 399 | 347 | 200 | 231 | 420 | 420 | 788 | 189 | 210 | 147 | 305 | 168 | 116 | 137 | 84 | |||||||||||
160g円/kg | 263 | 504 | 315 | 294 | 105 | 200 | 292 | 347 | 420 | 95 | 100 | 50 | 168 | 105 | 100 | 100 | 50 | |||||||||||
1日 | 3日 | 4日 | 5日 | 6日 | 8日 | 9日 | 10日 | 11日 | 12日 | 13日 | 14日 | 15日 | 16日 | 17日 | 18日 | 19日 | 20日 | 21日 | 22日 | 23日 | 24日 | 25日 | 26日 | 27日 | 31日 | |||
釧路 | 入荷量d | 27 | 8 | 20 | 487 | 345 | 299 | 150 | 125 | 123 | 445 | 215 | 730 | 556 | 924 | 680 | 1693 | |||||||||||
200g円/kg | 431 | 452 | 378 | 399 | 389 | 473 | 130 | 242 | 494 | 284 | 294 | 137 | 189 | 103 | 105 | 89 | ||||||||||||
160g円/kg | 357 | 452 | 357 | 80 | 284 | 158 | 80 | 105 | 399 | 200 | 158 | 105 | 116 | 74 | 37 | 74 | ||||||||||||
1日 | 3日 | 4日 | 5日 | 6日 | 8日 | 9日 | 10日 | 11日 | 12日 | 13日 | 14日 | 15日 | 16日 | 17日 | 18日 | 19日 | 20日 | 21日 | 22日 | 23日 | 24日 | 25日 | 26日 | 27日 | 31日 | |||
消費地 | 東京 | 入荷量(箱) | 11612 | 15740 | 5419 | 2383 | 10231 | 28386 | 25487 | 15965 | 11786 | 14490 | 6074 | 18204 | 31389 | 37188 | 33674 | 33580 | 41596 | 29596 | ||||||||
20尾(円/箱) | 3200 | 3200 | 3200 | 4000 | 3600 | 2000 | 2000 | 2000 | 2000 | 4000 | 3200 | 3200 | 2000 | 2000 | 2000 | 1600 | 1600 | 1800 | ||||||||||
25尾(円/箱) | 2800 | 2600 | 2600 | 3200 | 3000 | 1800 | 2000 | 1800 | 2000 | 3200 | 3200 | 2800 | 1800 | 1800 | 1400 | 1400 | 1400 | 1600 | ||||||||||
1日 | 3日 | 4日 | 5日 | 6日 | 8日 | 9日 | 10日 | 11日 | 12日 | 13日 | 14日 | 15日 | 16日 | 17日 | 18日 | 19日 | 20日 | 21日 | 22日 | 23日 | 24日 | 25日 | 26日 | 27日 | 31日 | |||
大阪 | 入荷量(箱) | 3655 | 5968 | 2526 | 2892 | 2800 | 8602 | 6639 | 4528 | 5971 | 5853 | 2659 | 3204 | 8880 | 11410 | 7617 | 6689 | 14618 | 10033 | |||||||||
20尾(円/箱) | 3200 | 2700 | 2700 | 3300 | 2800 | 2200 | 2000 | 1800 | 1800 | 3500 | 3300 | 3200 | 2700 | 2200 | 2200 | 2200 | 1800 | 1600 | ||||||||||
25尾(円/箱) | 2400 | 2200 | 2000 | 2800 | 2400 | 1700 | 1300 | 1200 | 1200 | 2600 | 2600 | 2400 | 1600 | 1400 | 1600 | 1400 | 1400 | 1200 |
2010年8月 | 1日 | 3日 | 4日 | 5日 | 7日 | 8日 | 9日 | 10日 | 11日 | 12日 | 13日 | 14日 | 15日 | 16日 | 17日 | 18日 | 19日 | 20日 | 21日 | 22日 | 23日 | 24日 | 25日 | 26日 | 27日 | 29日 | 30日 | 31日 | ||
産地 | 根室 | 入荷量d | 2 | 1 | 180 | 11 | 40 | 12 | 15 | 140 | 371 | 5 | 1053 | 67 | 244 | 391 | ||||||||||||||
200g | 2520 | 2730 | 399 | |||||||||||||||||||||||||||
160g | 3150 | 1995 | 1365 | 977 | 1208 | 1103 | 3150 | 2520 | 788 | 431 | 504 | 294 | 578 | 315 | ||||||||||||||||
1日 | 3日 | 4日 | 5日 | 7日 | 8日 | 9日 | 10日 | 11日 | 12日 | 13日 | 14日 | 15日 | 16日 | 17日 | 18日 | 19日 | 20日 | 21日 | 22日 | 23日 | 24日 | 25日 | 26日 | 27日 | 29日 | 28日 | 31日 | |||
釧路 | 入荷量d | 23 | 1.5 | 43 | 39 | 4 | 528 | 157 | 326 | 77 | 56 | |||||||||||||||||||
200g | 777 | |||||||||||||||||||||||||||||
160g | 1313 | 998 | 945 | 893 | 977 | 2520 | 2993 | 714 | 480 | 158 | 578 | 410 | 588 | |||||||||||||||||
2010年8月 | 1日 | 3日 | 4日 | 5日 | 7日 | 8日 | 9日 | 10日 | 11日 | 12日 | 13日 | 14日 | 15日 | 16日 | 17日 | 18日 | 19日 | 20日 | 21日 | 22日 | 23日 | 24日 | 25日 | 26日 | 27日 | 29日 | 28日 | 31日 | ||
消費地 | 東京 | 入荷量(箱) | 471 | 2310 | 1221 | 13432 | 6212 | 971 | 5029 | 5719 | 3172 | 2593 | 13069 | 14319 | 13545 | 24380 | 16119 | 17448 | 4965 | |||||||||||
20尾(円/箱) | 16000 | 36000 | 7200 | 7200 | 6000 | 6800 | 6800 | 11200 | 14000 | 12000 | 8000 | 6000 | 4000 | 4800 | 6000 | 6000 | ||||||||||||||
25尾(円/箱) | 12000 | 11200 | 24000 | 4800 | 4800 | 7200 | 4800 | 4800 | 10000 | 10000 | 10000 | 4800 | 3600 | 2400 | 2400 | 3400 | 3600 | |||||||||||||
1日 | 3日 | 4日 | 5日 | 7日 | 8日 | 9日 | 10日 | 11日 | 12日 | 13日 | 14日 | 15日 | 16日 | 17日 | 18日 | 19日 | 20日 | 21日 | 22日 | 23日 | 24日 | 25日 | 26日 | 27日 | 29日 | 28日 | 31日 | |||
大阪 | 入荷量(箱) | 175 | 257 | 85 | 2513 | 2276 | 689 | 1034 | 1810 | 1324 | 712 | 776 | 5347 | 3406 | 9744 | 4473 | 4050 | 3700 | ||||||||||||
20尾(円/箱) | 6600 | 6000 | 5000 | 5000 | 4500 | 9000 | 9000 | 12000 | 5000 | 4500 | 4000 | 3500 | 4500 | 4500 | ||||||||||||||||
25尾(円/箱) | 14000 | 14000 | 14000 | 5000 | 4400 | 4500 | 4000 | 3800 | 8000 | 6000 | 10000 | 4000 | 4000 | 2500 | 2200 | 3200 | 3200 |
今年は8月下旬になって、漁模様はやっと好転してきているようだが、この先どういう展開が待ち受けているのか、予測はまだ難しいところである。今年このまま相場が下がることなく、強めの価格を形成していくとすれば、 何らかの方法でサンマの価値感を高め、それに相応しい売価で売りこなす努力が必要となってくる。その方法の最右翼は、やはり刺身だろう。
刺身にするとしても、一般的な平造りではボリュームも出しづらいことから、例えば巻頭写真のような「薄造り」技法などを活用する場面が多くなってくると考えられる。そして刺身のボリューム感を出そうとすると、どうしてもツマ(大根けん)も多くなってしまうものである。下の生サンマ薄造りも巻頭写真とほぼ同じ大きさのトレーを使用しているが、ツマの量は出来上がり写真を見ても全く判らないけれども、こちらの方が随分と多く使っている。
そしてツマを少しでも節約しながら、ボリューム感を損なわないようにしたい、という目的を助ける工夫をした新型トレーが現れた。実は巻頭写真の生サンマ薄造りはそのトレーを使用している。
上の写真はカンパチの平造りだが、手前の方がその工夫をした新トレーである。向こう側のトレーとどこがどう違うのか、これでは判り難い。
それでは、このような横からの角度で見るとどうだろう。
横から見たボリューム感は、手前の新型トレーの方に分がある。しかも、そのポイントとなるのは大根けんの量である。実際に大根けんの重量を量ったところ、新型トレー約20gの2ヶ所で、合計40gだった。そして、旧型トレーは約25gの2ヶ所で50gだったのである。
少ないツマの量で、逆にボリューム感はアピール出来るというのが、新型トレーの特徴であることが理解出来るであろう。トレーの形状を工夫することによって、これが可能となっているのだ。しかし、この形状が何のためにそうなっているのかを知らないまま使用したのでは、そのメリットはほとんど活かされないことになってしまう。少しでもツマの量を減らしながら、ボリューム感は損なわないようにしたい、ということを意識して作業行動をしなければ意味はない。
いっぽう、特徴はそれだけではない。透明の上蓋にも特徴があって「高くて狭い」のが、なかなか良いのである。上蓋が高くて狭いと何が良いかと言うと、例えば「高い」と、切り角を立てた平造りが蓋で押しつぶされる可能性は少なくなる。また「狭い」と、刺身が後ろ側に落ち込むことも多少は防げるはずで、購入した刺身をお客様が持ち帰る時も、簡単には形崩れしにくいことが考えられる。狭いという特徴は、どの大きさまで活かされるかは実験をしていないが、大きくなればなるほど、その特徴は減衰するであろうことは想像出来るので、全てのサイズに通用することではないことを補足しておきたい。
この新型トレーの名前は「波盛りシリーズ」中央化学という会社から発売されているので、興味のある方は直接連絡をどうぞ。
ところで、9月16日現在のサンマ相場は、以下のような状況である。
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