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平成20年 9月号
やまとみずんの
切掛け短冊造り
ヤマトミズンとは、沖縄で「ヤマトゥミジュン」とも呼ばれるイワシの仲間である。
サンゴ礁周辺の沿岸や沖合に棲むらしく、追い込み網や、巻き網、敷き網などで漁獲されるということだ。
その姿は
このように一見「真イワシ」と見間違いそうでもあるが、真イワシの「七つ星」と呼ばれる胴体の斑点がないので区別出来る。
入荷した時は木箱にこういうぞんざいな扱いの状態で入っていた。
大きさは25センチ前後、仕入れ価格は1尾当り10円もしない安さだった。
これを少し面倒臭くて大変だったけれども、次のように処理した。
これは腹開き
三枚おろしの皮すき
そしてこれが上の写真の「切掛け短冊造り」になったのだ。
味の方はと言うと、脂の乗りは間違いなく真イワシに軍配が上がる。
ヤマトミズンは南方系のイワシだからか、形は丸っこいのに脂肪分は随分少なく感じた。
真イワシは本当に高くなってしまった。
真イワシの魅力というのは、あのDHAやEPAなどの不飽和脂肪酸を豊富に含んだ脂肪分にあるとすれば、ヤマトミズンとの大きな価格差も納得すべきなのだろうか・・・。
ところで、沖縄に「ヤマトミズン」を歌った民謡があることを発見した。
「タンチャメ節」という名前の民謡である。
谷茶前(タンチャメ)の浜に
するる小(グワ)が 寄てて(ユティティ)んどうエ
するる小(グワ)が 寄てて(ユティティ)んどうエ
ナンチャ マシマシ ディアングヮ
ソイソイ ディアングヮ ヤクシタ
するる小やあらん
大和(やまと)みずんど やんてんどうエ
大和(やまと)みずんど やんてんどうエ
ナンチャ マシマシ ディアングヮ
ソイソイ ディアングヮ ヤクシタ
若者達(あいいた)やうり捕い(とい)が
娘達(あんぐわた)や かみてうり売いがエ
娘達(あんぐわた)や かみてうり売いがエ
ナンチャ マシマシ ディアングヮ
ソイソイ ディアングヮ ヤクシタ
うり売て(うて)後の
娘達 匂(におえ)のしおらしゃエ
娘達 匂(におえ)のしおらしゃエ
ナンチャ マシマシ ディアングヮ
ソイソイ ディアングヮ ヤクシタ
歌意[谷茶村の前の浜に きびなごが寄ったってさ きびなごが押し寄せてきたってさ
なんとのんびりした 娘を連れて(行ったそうな)
きびなごではなく 大和みじゅんだってさ 大和みじゅんだって
なんとのろまな 娘を連れて(行ったそうだ)…]
宮城エイサー
ヤマトゥグチ歌意:大村進氏より聞き書き
タンチャメ(谷茶前)メロディをクリックすれば、そのメロディを聞くことが出来る。
今月はこのメロディを聞きながら、気候温暖でノンビリとした、沖縄の海岸風景でも想像し、豊かな気持ちになってもらえれば・・・