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平成19年 8月号



おもてなし鉢盛り

(旬鮮刺身風14点盛り)




今年も盆商戦の時期がやって来た。

盆には「おもてなし料理」として刺身が主役の一つとなる。

刺身盛合せの盛付け容器として、写真のようなものはどうだろう。

この容器はプラスチックの材質なのだが、まるで本物の信楽焼のような風情を漂わせている。

安っぽいトレーに盛られた刺身は、中身が立派でも見かけはもう一つとなってしまう。

自宅でお客様を迎える時に、これくらいの見栄えがあれば、お客様の満足度も高いのではないだろうか。

容器の模様を変え、大きさを一周り小さくして、内容量を少なく盛ってみても、この容器ならば、なかなか豪華に見える。

おもてなし鉢盛り

(旬鮮刺身風10点盛り)

盆商戦とは言っても、全国的に最近では盆の行事というのを、あまり重要視しなくなってきているようで、従来型の盆ニーズによる売上の高まりは次第に弱体化しつつある。

盆商戦において、地方型はまだ通常よりも売上の高まりを見せるのだが、いわゆる、全国の「地方」と称される地域と都会とは雲泥の差があって、都会化の進んだ地域では、通常よりも売上は落ち込んでしまう、という全く違った傾向を見せる。

これから盆商戦はどうなっていくのだろうか。



そもそも日本の歴史では「夏と冬に1年の始まり」があった。

その名残で1月と7月に祖霊のお祭りをする習慣があり、これが正月と盆になったようだ。

元々はどちらも神道の管轄だったものが、平安時代の神仏習合の際の妥協策として、盆の行事は仏教に移管され、代わりにお正月は神道の管轄が保障されたものといわれてる。

お盆というのは元々旧暦の7月15日に行っていた行事だが、新暦で生活するようになった一般の人々が、旧暦でお盆の行事を行うのは不便ということで、新暦でひと月遅れの8月15日にお盆の行事をすることになった所が多いようだ。

戦後はちょうどこの日が終戦記念日と一致したため、ますますお盆の気分が盛りあがるようになったと言われている。

お盆は地域によって三つに分れていて、「7月盆」,「8月盆(月遅れ盆)」,「旧盆」がある。

地域と時期の違いは、

「7月盆」
新暦の7月15日頃
東京・横浜 東北地方 熊本 他
「8月盆」
新暦の8月15日頃
全国的に一番多く、北海道 関東南部 関西 九州 他
「旧 盆」
旧暦の7月15日
毎年違い、今年は8月27日 関東北部 中四国 南西諸島 他


このように、既にお盆は7月で終わってしまった地域もあるが、全国的には、新暦の8月15日前後が1番多く、企業のお盆休みも、ほとんどが8月15日前後になっているので、8月15日を中心に一気に「盆ニーズ」が高まるというわけである。

しかし、上記したような昔ながらの盆ニーズにかかわる商機というのは、次第にボリュームが萎んできているのも事実であり、 これらに替わるニーズを掘り起こしていかなければならない。


その代替ニーズへの展開方法については、平成17年8月号の弊紙の紙上でも簡単に触れているので、
その他、過去に掲載した商品化例をクリックしてご覧いただきたい。

今回、そのテーマについての言及はさておくとして、いわゆる「従来型のニーズの代表」である刺身盛合せを、なんとか魅力あるものにするには、容器を見直してみるのも一つの手ではないだろうか。

同じ10点盛りを、容器の模様を変え、中身の魚と盛り付け方法を変えるとこんな風になる。

 

     おもてなし鉢盛り(10点盛り)

この刺身の中身は、養殖魚と解凍魚だけを使っているので、上の二つの、生魚を使った「旬鮮刺身風」のものとは違い、これはいつでも手に入る材料で造ることが出来る例である。

このように、刺身ネタは特に変化はなくても、馬子にも衣装」ではないが、容器を変えると見栄えは一新する。

変化は「形」から・・・



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