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The Fish Food Retail Net


平成19年 1月号


新年明けまして、おめでとうございます。

今年も内容充実に努めます。

月に一度は覗いてみて下さいね。



おめでたい(鯛)正月に、

鯛の姿盛り

 



これは「姿造り」ではなく、「姿盛り」

元に近い姿を残しながら、そのまま「全体を売る」姿造りではなく、元の姿を活かしながらも、売る単位を「小分け」する姿盛り。

1尾が3kg以上ともなる「天然鯛」を、姿造りで売るということは非常識であろう。

だから、普通は売り易くするために小さく小分けするのだが、これらの商品から元の姿を想像することはほとんどができない。

しかし、写真のような「鯛の姿盛り」の商品となると、小分けされて買い易くなってはいるけれど、誰でも鯛の美しい姿と商品の関係を推測することが出来る。

魚売場に商品は並んでいるけれども、それらが元々どんな姿だったのかを想像できる人は少ない。

それは魚売場に小魚は別としても、小分けを前提とした大きな魚は、お客様の目に触れない内にほとんど解体されてしまっているからである。

日本人が魚の代表として愛でる「鯛」は、その美しい姿形によって昔から愛されてきた。

その鯛が外国から輸入されてきた出所不明の冷凍魚と、同じ扱いでは、実にもったいない話ではないか。



 マグロの解体セールは、多少価格が高くても売れ行きが良いが、それは何故なのかを考えてみよう。

お客様の解体実演者へのご褒美の気持ちなどではないだろう。

たぶん、お客様の目の前に小分けされる前の「実物」があったからである。

現認した実物と購入した商品の関連を確認することが出来た安心感が、お客様の「購入動機」につながっているのではないだろうか。



魚売場が肉売場と違う「差異化」の一つを挙げるとすれば、一部の例外を除いて「実物の姿」を見せることが出来ることにある。

しかし、丸のままの魚というのは低いサービスレベルの象徴として、魚売場からどんどん排除されてきたという経緯がある。

そして、ある一つの魚のアイテムは、お客様の様々なニーズを想定して、色々なSKUへと展開されてきたのである。

結果としてその豊富なSKUを陳列するために、広大な売場が必要となってきた。

ところが残念ながら、努力してSKUを拡大すればするほど、お客様の「魚の品揃えへの不満は高まる」という、皮肉な現象にぶち当たることになる。

それは「お客様のニーズに全て応えるのは不可能」という明白な事実である。


魚売場は肉のような「徹底したSKU展開の道」を辿るべきではないだろう。

基本的に「3アイテム」に集約された肉売場は、SKUの拡大がお客様のニーズを高めることになることは間違いない。

しかし、魚売場は「30アイテムの品揃えでも少ない」のだから、それ以上の種類のアイテムをSKU展開するのは、もともと「物理的な限界」があるのである。



魚売場において品揃えの満足度を高めるのは、SKUの拡大ではなく、アイテムの充実」しかないことは明らかである。

魚売場のアイテムとは、元の丸のままの姿の魚なのだから、これらの品揃えをどのようにして充実させていくかは、考え方次第で方法はどうにでもなるであろう。

例えば「生魚の対面裸売り」という方法は、とても「有効な手段」ではないだろうか。

元の姿を見せながら品揃えの充実をはかれるし、担当者の姿勢次第では「お客様のあらゆるニーズに応えられる」のである。

しかも、基本的に広大な売場は必要ないのだから効率的である。



「魚の対面裸売り」という販売手法は、古いようだが、実に合理的で効率的な方法なのである。

魚の販売は肉と違って「姿を見せる差異化」をもっと活用しなければならない。

その手法の一つが「鯛の姿盛り」なのである。


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